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3 反対意見
さて,ご紹介した最高裁判所第二小法廷判決平成24年3月16日には,一人の裁判官=須藤正彦裁判官=の反対意見が付されています。「反対意見」というのは,最終的な判決の結論に反対する,という少数意見のことをいいます。
つまり,この事案では,多数決としては,無催告失効条項は無効とはいえないという結論に至りましたが,須藤裁判官は,いやいや無効なんだ,という論陣を張ったということです。
これはやはり原文で読んだほうがよいので,原文の一部を貼り付けます。
「督促の実務について検討するに,・・・運用が確実に行われるのであれば,保険契約者は着実に債務不履行について注意を喚起されるだろう。
だが,その督促通知をすることも,その運用が確実であることも,あくまで事実上のものにしか過ぎない。払込みの督促をすべきことが約款上に規定されているわけでもないから,法的義務とはならず,法的保護の埒外にある。・・・「確実」といわれる実務の中で,万一,保険会社が現実に督促通知を行わなかったとしても,保険契約者は,保険会社を相手としてなすすべもない。また,払込みの督促の実務上の運用は法的に何ら担保されてなく,これを廃止するのに何らの障碍もない。つまり,保険会社がコストカット(経費節減)を実施することが求められる場合,人件費等を少なからず要するとみられるそれは,経済合理性に基づいて高い優先順位でコストカットの対象となり得,容易にそれを廃止するか,そうでないとしても極めて形骸化したものにし得るといえる。
そうすると,実務上払込みの督促を行っていることにより,民法541条を適用しないことによる保険契約者の権利の制限(不利益)がカバーされるものとまではいい難い。・・・・・・
本訴訟を契機に,保険会社において,契約の解除のために通常行われているような催告が至難ということであるとしても,少なくとも,督促通知を行うべきことを約款上に明記するなどこれを法的に義務付けるようにすべきである。」
簡単にいうと,督促活動を行なうという保険会社の責務は,契約=約款の中で定められている法的な義務ではないですよね,だから,経費削減の理由などによってこの督促活動が省略されるとか,おろそかになることだって大いに想定されるでしょ,そんな不安定な活動を前提として,無催告失効条項が有効だなんて,とてもいえないですよ,これからは,保険会社は,約款の中に,督促活動を義務として必ずきちんと行いますよということを,書き込むべきです,というご主張です。
皆さんは,この反対意見をどのように思われますか。私などは,とても強くシンパシーを感じますが。
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